ゲーム理論を読みとく (ちくま新書)



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ゲーム理論を読みとく (ちくま新書)
ゲーム理論を読みとく (ちくま新書)

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初心者は無理

新書なので入門編と思いきや、初心者には少々難しい。

ゲーム理論は、ある限られた前提条件の下でしか成立しないはずが、いつの間にか市民権を得て特に政治の世界で利用されてきたことに強く批判して本(だと思う)。

前提条件の最たるものが、ゲームの全プレイヤーが戦略的合理性をもって行動しなければならないというものである。従って、信念や狂気で行動するような相手がプレイヤーであるとゲーム理論は通用しない。例えば、ベトナム戦争での同理論での戦略立案は、機能しなかったとのこと。

つまりは、政治での利用は、注意が必要ということだそうです。
まぁ使う側の問題だと思いますが・・・。
悪意と誤解にもとづく最低な本

 とにかく的外れな批判が多く、著者の不勉強が目立つ。著者はニューヨーク州立大学バッファロー校(ニューヨーク大学ではなく、それより数段レベルの低いニューヨーク州立大学の、その系列の中でも二流校)で経済学Ph.D.(博士号)を取得しているが決してゲーム論の専門家ではない。

 まずこの本は最初からゲーム論を攻撃する意図で書かれているが、ほとんど不当な言いがかりに近い。これはひとえに著者がゲーム論の進歩についていけていないからであろう。ゲーム論は言葉による説得やコミュニケーションが考慮されていないなどと主張しているが、いったいいつの時代のゲーム論を指して言っているのか。
 また「ゲーム論はたいしたものではない、張り子の虎である」と言うのであればまだ私も理解できるしある程度共感できるが、著者は要するにゲーム論を核物理学などと並置し、「ゲーム論は強力である。悪魔の思想であり人類を滅ぼしかねない!」と勝手に勘違いして危機感を煽っている。陰謀論者も顔負けである。こんなことを信じてゲーム論を勉強し始めたら失望するのがオチである。

 論理的思考に基づいた抽象化モデル化は社会現象、自然現象を理解するための人類の知恵である。それは常に正しいわけではないが少なくとも一定の有効性はある。それを否定することは大げさに言えば人類の知恵を否定することである。否定した先に何があるのか。この本の筆者のようにゲーム論に感情的に批判的な論者はすぐに合理性を否定し、「世の中はもっと複雑なんだよ…」などというが決してその対案は示さない。対案を示さないのならせめてゲーム論を知識へのアプローチの一つとして認めてほしいものである。
様々な視点からの考察

新書ということもあって、すぐに批評に入るのではなくゲーム理論についての筆者なりの大まかな説明をまずしてくれているため、初めてゲーム理論に触れる人でも筆者の主張の大枠は理解できるようになっている。
批判といってもこの理論のここが間違っている、というように新たな理論を打ち出すものではなく、その前提条件や対象を問題にしている。

たとえば囚人のジレンマというゲーム理論の1つ(戦略的理性)について、これは経済以外にも政治の場であるとか他の場で応用されているが、これは正しい使い方なのかということに焦点がある。囚人のジレンマの前提条件を深く考え、囚人のジレンマが成り立つというのはかなり特別な条件下で、現実には当てはめずらい。というのがこの本での典型的な主張である。
キーワードとなるのが、対話・制度・遊び・暴力といったもので、現実世界ではこの条件は外すことができない要因であるにもかかわらず、ゲーム理論ではその条件を考慮することなく、論を立てている。それをそのまま応用するということに問題があるということであろう。

ゲーム理論の弱点とでもいうべきものが記されており、1つの主張に沿って話が進んでいるが、話が飛び飛びになっているので筆者の主張を常に念頭に置きつつ読んでいかないと迷子になってしまいそうである。ゲーム理論について今一度考えさせられるものです。
ゲーム理論の解説ではなく

批判する本です。
批判対象を低く見ているとしても、それで充分。
その低いレベルで現実は動いている以上、
そこを再批判しても何の意味もありません。
現実を批判している本です。

世界の惨劇のリストを手にするだけでも、価値があります。
読みにくかった・・・

読破するのに時間がかかりました。本書は、書下ろしではありません。
それ自身が問題ではありません。
いろいろなところで発表されたものを一冊にまとめられたため、各章に分かれてはいますが、
論旨があちらこちらへと飛躍しすぎてどうもまとまりがなく、正直読みにくかった・・・
ゲーム理論に興味がある人、ゲーム理論をはじめて学ぼうとする人は避けたほうが無難でしょう。
中級以上の方でゲーム理論に内在する問題点を改めて考えてみるとき、多少の参考になるかもしれません。




筑摩書房
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